美容師の職業病

腰痛

美容師の仕事はクリエイティブでやりがいのある一方、長時間の立ち仕事や細かな作業が多いため、特有の職業病が懸念されます。
今回は美容師の職業病である「手荒れ」、「腰痛」、「腱鞘炎」に焦点を当て、それらの対策について紹介します。

手荒れのメカニズムとケア方法

美容師の手荒れは、刺激の強い薬剤と思われがちですが、実際は頻繁に触れるお湯が起因することがあります。
肌を保護するために皮脂膜というバリアで覆われていますが、お湯に触れるとこの皮脂膜が取れてしまい、手荒れが起こるのです。
また、濡れたままの手でいると、手についた水分が蒸発する際、肌の水分も奪ってしまいます。
手荒れを予防し、ケアするための方法は以下の通りです。

グローブの着用

染料の取り扱い時には、グローブを着用して手を保護する美容師は多いですが、シャンプーは素手で行っていないでしょうか。
これは、グローブによって髪が絡まったり、お湯の温度がわかりにくかったりすることが理由です。美容院によっては禁止されているところもあります。
しかし、水仕事による手荒れを防止するため、洗髪時でもグローブ着用するようにしましょう。
使用するグローブは蒸れを防ぐために、薄手のものがおすすめです。
また、長時間の使用はグローブ内に細菌が繁殖して、手荒れが悪化する恐れがあるため、使い捨てタイプがいいでしょう。

適切な保湿

手荒れを予防するために、保湿クリームやハンドクリームをこまめに使用しましょう。手を洗う度に塗るのが理想ですが、難しい場合でも定期的に塗りたいところです。
また、ハンドクリームは塗る量が少ないと効果が得られにくいので、たっぷり手に取ってなじませるように塗っていきます。
成分にアロエベラやヒアルロン酸などの保湿成分が含まれているものがおすすめです。

低刺激を選択

手を洗う際には、刺激の少ない石鹸を選びましょう。肌に優しい製品を使用することで、手荒れのリスクを軽減できます。
また、施術で使うシャンプーもできるだけ刺激の少ないものにするのも一つの方法です。
洗浄力や脱脂力の強いシャンプーは、肌への刺激となり手荒れに繋がります。

腰痛のリスクと予防策

美容師の腰痛は、長時間の立ち仕事や施術中の姿勢の維持が原因とされています。
腰痛を予防し、改善するための方法は以下の通りです。

適切な姿勢の意識

施術中や仕事中には、正しい姿勢を意識し、腰の負担を軽減する姿勢を保つよう心がけましょう。
正しい姿勢とは背骨が頭から腰にかけて緩やかなS字になっている姿勢です。この姿勢を維持することで負担が少なくなります。

腰の負担を減らす動作を

腰に負担がかかってしまう動作を減らすことも腰痛予防のひとつです。
重いものを持ち上げるときは前屈して持ち上げるのではなく、一度しゃがんで足の力を使って持ち上げるようにしましょう。

適切な靴の選択

長時間の立ち仕事では、足に負担をかけないクッション性のある靴を選ぶことが重要です。適切な靴を履くことで、腰への負担を軽減できます。
新しい靴を購入するのではなく、今の靴を履きやすくする方法としてインソールの利用がおすすめです。

エクササイズの導入

腰痛を予防するために、定期的なストレッチや腰周りの筋肉を鍛えるエクササイズを取り入れましょう。背筋や腹筋の強化が腰の安定性を向上させます。

腰痛に悩んでいて、症状が気になる場合は病院を受診しましょう。
腰痛の場合は、整形外科です。痛みが悪化する前に受診することをおすすめします。

腱鞘炎のリスクと対策

美容師の腱鞘炎は、同じ動作を繰り返すことによって手首や指の腱が炎症を起こすことで発生します。
炎症のある部分を動かすとしびれるような痛みが起こり、悪化すると仕事はもちろん、ペットボトルの開封やペンを握ることもこんなになるケースも見られます。
腱鞘炎を予防し、対策するための方法は以下の通りです。

サポーター・テーピングをする

腱鞘炎を防ぐ対策として、サポーターやテーピングで固定する方法があります。
腱鞘炎の緩和に1番効果があるのは安静にすることなので、固定したらできるだけ指や手は使わないようにしましょう。
仕事中の使用が難しい場合、仕事以外の時間に着用して、手を休ませるようにしてください。

適切な休憩

作業中には定期的な休憩を取り、手首や指の疲労を軽減させましょう。休憩中にストレッチを行うこともおすすめです。

ハサミやブラシを正しいフォームで使用する

フォームを見直して、最小限の力で効率よく扱えるようになれば、手首や指への負担を軽減させられるため一度確認してみてください。

適切な姿勢と道具の重要性

美容師の仕事は、顧客の施術中に長時間同じ姿勢を維持することが多く、これが腰痛や腱鞘炎の原因となることがあります。
適切な姿勢と道具の使用は、これらの職業病を予防するために不可欠です。

正しい姿勢の保持

施術中に背筋を伸ばし、腰の負担を軽減する姿勢を意識的に保つことが大切です。身体のバランスを保つことで、腰への圧力を分散させることができます。

適切な道具の選択

髪を切るためのハサミやブラシなどの道具は、その形状や重さによって手や腕への負担が異なります。軽量で握りやすい道具を選ぶことで、手への負担を軽減することができます。

適切な姿勢と道具の選択は、美容師の健康を保つために欠かせない要素です。

ストレッチとエクササイズの効果

美容師の仕事は、細かな作業や同じ姿勢を維持することが多いため、筋肉や関節に負担がかかりやすくなります。
ストレッチとエクササイズを取り入れることで、体の健康を維持し、職業病のリスクを軽減できます。

定期的なストレッチ

施術中や仕事の合間に、腕や肩、首などの部位をストレッチすることで、筋肉の緊張を緩和しましょう。ストレッチは血流を改善し、疲労を軽減する効果があります。
腰痛や腱鞘炎予防には非常に有効な手段です。

腰周りのエクササイズ

腰痛予防のために、腰周りの筋肉を強化するエクササイズを取り入れることが重要です。
腰部の筋肉を鍛えることで、安定性が向上し腰痛のリスクを軽減できます。
また、日ごろから運動をする習慣をつけておくと、腰痛の起きにくい体づくりができます。

手首と指の運動

腱鞘炎予防のために、手首や指の可動域を保つためのエクササイズを行いましょう。
手首を回す、指を広げ閉じるなどの運動が効果的です。

このように、ストレッチとエクササイズは、美容師の健康を保つための重要な手段です。

栄養とハンドケアの重要性

美容師の仕事は手荒れや疲労の原因となるため、適切な栄養とハンドケアを行うことが必要です。
手荒れや健康状態を改善するための方法を見ていきましょう。

栄養のバランス

良質な食事を摂ることで、体内の栄養バランスを保つことが重要です。
ビタミンAやC、亜鉛、タンパク質などの栄養素は、皮膚の健康をサポートします。

水分摂取の意識

十分な水分を摂取することで、皮膚や手の保湿効果を高めることができます。
美容師は特に手が乾燥しやすいため、水分摂取に気を付けましょう。

ハンドケアの実践

手の皮膚は特に酷使される部位です。こまめなハンドクリームの使用や、就寝前のハンドマッサージなどを取り入れて、手の健康を維持しましょう。

効果的な休息とストレス対策

美容師は忙しいスケジュールの中で働くため、ストレスや疲労が蓄積されやすい環境にあります。
適切な休息とストレス対策は、職業病の予防と健康維持に欠かせません。

適切な休息

忙しい日々でも、適切な休息を取ることが重要です。
短い休憩を挟みつつ、定期的な休暇を取得し、体と心をリフレッシュさせましょう。
手を休ませることは腱鞘炎に効果的です。
生活で最低限の動作は必要ですが、それ以外のときは手を休ませる時間を作りましょう。リラックスすることで体の緊張も緩和され腱鞘炎の改善にもなります。

ストレスの解消法

仕事や日常生活でのストレスは、腰への影響を及ぼす要因です。腰痛には姿勢や動作による腰自体の不具合と心理的なストレスに伴う脳機能の不具合によるものと考えられています。
脳機能の不具合による腰痛は、筋肉などに血流不足が生じるためです。
両方の不具合は共存することが多いため、趣味やリラックスする活動を取り入れて、ストレスを軽減しましょう。

睡眠の重要性

十分な睡眠は、体を回復させるために不可欠です。
美容師は体力を消耗する仕事ですので、質の高い睡眠を心がけましょう。

プロのケアと健康習慣の重要性

美容師の職業病を予防し、健康的なキャリアを築くためには、専門的なケアと健康習慣の両方が重要です。
次のセクションでは、これらの要素について詳しく説明します。

専門的な医療ケアの受診

職業病の予防や早期発見のために、定期的な健康チェックや医師の診察を受けることが大切です。
専門家のアドバイスを受けつつ、健康状態を管理しましょう。

健康習慣の継続

健康的な生活習慣を継続することは、美容師としてのキャリアを長く続けるために不可欠です。
バランスの取れた食事、適度な運動、ストレス管理などを心がけましょう。

キャリアの長期的な展望

美容師の仕事は体力と健康を要求される職業ですが、キャリアを長く続けるためには無理のないスケジュールや休息を確保することが大切です。
将来の自身の健康を考えて、バランスの取れた働き方を目指しましょう。

美容師の仕事は手荒れや腱鞘炎、腰痛などの職業病に悩まされがちです。
普段から対策を取ることで軽減できます。定期的なマッサージやストレッチなどを行い、業務を行う上での負担軽減が予防になるのです。
職業病は無理をすると長期の治療や仕事から離れることになるので、病院へ行き医師の判断に従うようにしましょう。