美容師が使うはさみ

はさみの種類
美容師が使っている切れ味の良さそうなはさみは「シザー」と呼ばれており、さまざまな種類があります。
通常カットするはさみは「ベースカットシザー」、すきバサミと呼ばれる刃がクシ状になっているものは「セニングシザー」、はさみをスライドさせてカットできる「スライドシザー」などが使われています。
はさみのサイズは5インチから7インチのものが中心ですが、手の小さい人なら4.5インチ、長い人で10インチなどを使っている場合があります。
規格が決まっているわけではないので、特注でオリジナルのはさみを依頼することも可能です。
はさみの持ち手の部分を「ハンドル」と言いますが、この部分も持つ美容師の手の大きさによって違いがあります。
ハンドルの大きさによって使い勝手が違ってくるので、通販などで購入するより実物を見て決めることが大切です。
お客様が希望するヘアスタイルによってはさみを使い分けるので、美容師さんの腰にぶら下がっているシザーケースには、何本も異なるはさみが入っています。
多くの美容師は、はさみがないと仕事ができなくなるため、仕事用のものとそれが使えなくなったときのために予備用のセットを用意しています。
はさみの値段
カット用のはさみの値段ですが、工作用のはさみとは違って高価です。
美容師達は平均的に数万円のはさみを使っており、なかには数十万という高級なはさみを持っている人もいるようです。
それが数本必要になるので、予備用のはさみも合わせると100万円程度になります。
また、はさみを常に切れ味の良い状態にしておくために、メンテナンスが必要になります。
美容院には、出入りしている専門のはさみ屋さんがいて、その人が定期的にメンテナンスに訪れています。
美容院のなかには、そのはさみ屋さんが勧めてくれるはさみを購入しているところもあります。
はさみの手入れ
はさみの手入れは年に数回、美容院に出入りしているはさみ屋さんにメンテナンスを依頼する場合もありますが、通常の手入れは美容師自らが行っています。
はさみを毎日使っているうちに刃が丸みを帯びてきて、ネジもゆるんでくるなど、切れ味がだんだん悪くなってきます。
悪くなってから研いだのでは遅いので、美容師は何本か予備のはさみを持っており、交替で使っています。
メンテナンスとしては、一日の仕事が終わったらティッシュペーパーで汚れを拭き取って、やわらかい皮で拭いておきます。
特に、はさみのネジまわりには髪の毛が入り込んでいることがあるので、丁寧に取り除きます。
また、髪の毛を切ることによってネジがゆるんでしまうことがあるので、左右の刃の開きも確認します。
砥石を使って研ぐ場合もありますが、研ぎすぎると使えなくなるので、プロのはさみ屋さんに任せた方がよいでしょう。
はさみを購入したメーカーが、定期的に出張メンテナンスを行っていることもあります。